種族
ドワーフ – Dwarf
アレンティア大陸全域に、広く点在している種族。がっしりとした体格と低い身長、若者でも老人のような姿をしていることが印象的な種族で、エルフやホビットと比べるとマナの保有量が圧倒的に少ないのが特徴。起源は、キヴォ・ハンジャロイ火山が噴火した際に、火口から飛び出た噴石の中から誕生した生命から。
金属の製錬と加工が自分たちの使命だと信じて疑わない者が多い。そしてドワーフ族の鉄鋼の加工技術は、エールケディスで最も優れているといっても過言ではない。反面、彼らは金属のこと以外に興味を全くもって示さないという短所を持つ。
またドワーフ族に性別はなく、全てのドワーフ族が他種族でいうところの男のような姿をしている。これは彼らが火山の噴石の中から生まれることに由来する。女性という役割が彼らには必要ないのだ。
ドワーフに関連した地名
キミルアスト自治領 – Vilage Chymillust
アレンティア大陸中部に存在する、ドワーフが集う小規模の村。しかしドワーフ族の中では最大規模の集落だ。そして自治領とは名ばかりで、実際には南のエルフが彼らの面倒を見ている。
キミルアスト自治領には主に、鉄鋼を加工する職人が多く集まっている。そしてキヴォ・ハンジャロイ火山火口付近の製錬所にて製錬/精錬された鉄鋼が、始めに集荷される場所がこの地である。
職人の多くは武器防具職人、または装飾品や日用品を作る者たち。なお蒸気船や飛行艇の建造を行う変わり者は、キルッフ=アルナッハぐらいしかいない。
キヴォ・ハンジャロイ火山 – Volcano Quivo-hanjahroy
ドワーフ族にとっての「母なる山」が、キヴォ・ハンジャロイ火山である。ドワーフ族は、この火山の火口から飛び出てくる噴石より誕生するのだ。
また、この山には火成鉱床が広がっていることもあり、ドワーフ族の仕事場にもなっている。
その他
飛行艇アスタトラン号 – Flying boat: Ustatran
ドワーフ族の造船士キルッフ=アルナッハが、その集大成として完成させたのが飛行艇アスタトラン号。
古代人の末裔らが住まう集落の近辺にある遺跡群、そこから発掘された飛行艇に関する書物が元となっている。
しかし、アスタトラン号はまだ一度も空を飛んだことがない。誕生して間もない赤子であるためだ。
南のエルフとの関係性
ドワーフという種族は、どうしようもないほどに治政に興味がない。だが、かといって無法地帯でいいわけではない。なので彼らは南のエルフの管轄下に加わることにより、その問題をクリアした。つまりドワーフ族を治める王は、喝采の王ガゼルゼンスなのだ。
現状にドワーフ側はなんら不満を抱いておらず、ガゼルゼンスの治政に満足しているようだが、ガゼルゼンス側は「ホビット族のように、ドワーフ族も自立してもらわねば困る」と危機感を募らせている。
そこでドワーフ族は、ドワーフ族を取りまとめる者として「首長」という役職を立てた。しかしドワーフ族の首長は名前だけのようなもので、エルサムガスク公のような機能はない。
ケット・シーとの関係性
鉱石にのみ集中し、それ以外の多くのことに無関心を決め込むドワーフ族だが。そんな彼らも一度だけ激怒したことがある。強欲なケット・シー族が働いた横暴、これにはドワーフ族の堪忍袋の緒も切れた。
それはまだ霧開き商会が東側での商流を拓ききれていなかった時代のこと。東側の支配を目論むケット・シー族が目を付けたのが、ドワーフ族が管理する資源だった。これを東のエルフに売りつければ、とケット・シー族は閃いたわけである。
東のエルフらとの貿易を望んでいたドワーフ族は、ケット・シー族の持ち掛けた提案に乗った。だがドワーフ族はこの時、予想もしていなかった。ケット・シー族が、ドワーフ族の資源を根こそぎ奪い尽くそうとしていたことなど。
最初こそ「ごく普通の、公正な取引」が行われていたが。次第にケット・シー族はドワーフ族への対価の支払いをケチるようになった。やがて「ドワーフ族さえいなくなれば、アレンティア大陸の南側に眠る資源は自分たちのものになる」と考え始めたケット・シー族は、ドワーフ族の殲滅を決意。ドワーフ族がきたえた武器を手に、ケット・シー族は一方的な侵略行為を仕掛け始めた。これにはドワーフ族も激怒。侵略するケット・シー族、抵抗するドワーフ族との間で、アレンティア大陸の南半分を焦土に変えた大戦が巻き起こった。
なおこの大戦は、戦場におけるギズルゼンスの活躍、そして大地を駆け回り停戦交渉の場を設けることに成功したシルギザンドの貢献により、半年で収束した。そして終戦間近のころ、北アレンティアで起こった騒ぎが「ライタフィルズ城陥落」である。