種族
ホビット – Hobbit
ユーゴルドキア大陸の南西部、エーラドンナ半島周辺およびアレンティア大陸に点在する種族。小さな体に、西のエルフも驚くほどの膨大な量のマナを保有している。起源は、波打ち際の小さな貝殻の中から誕生した生命から。
高度で優れた魔法、特に大出力の破壊魔法を得意としている。
知的好奇心旺盛で、好奇心の赴くままに無鉄砲に突き進む気質のものが多い。そのため方向音痴を発症するホビット族がかなり多くみられる。ある物事が気になりだすと、彼らは本来の目的地を忘れてそちらにずんずん進んでしまうのだ。
マナの扱いを苦手とする南のエルフとドワーフは、ホビットにとっては良きビジネスパートナー。なので霧開き商会やキミルアストでは、多くのホビット族が働いている。
遊牧ホビット – Nomad hobbit
ホビット族の大半は遊牧民である。実のところ、エルサムガスク公国などに定住しているものは全体で見れば一握りほどでしかない。
しかし他種族は街暮らしのホビットたちを「ホビット族」として認識していることから、遊牧民として生活するその他のホビット族はまとめて「遊牧ホビット」と呼ばれており、別のものとして扱われている。
遊牧ホビットたちは主にユーゴルドキア大陸の中東部に点在し、そこで草原や水場を渡り歩く遊牧生活を送っている。そして20を超える士族に分かれており、ときたまイザコザが起きては草原でバチバチと魔法対決をしているらしい。
なお遊牧ホビットたちは定住を選んだホビット族のことを「エルフたちの下僕になることを選んだ情けないやつら」と思っている。
遊牧ホビットたちの性格は街暮らしのホビットとは大きく異なり、多くのことに無関心でドライ、そして孤高で個人主義的だ。
ホビットに関連した地名
エルサムガスク公国 – Grand duchy of Yelsamgosc
ホビット族の国家。南のエルフから独立した自治領としては、今のところ最大の領地を持つ。2500年ほど前に南のエルフの属領から円満に独立し、ホビット族が自治権を得た。
唯一、民主主義を実践する領であり、エルサムガスク公国を治める議長は4年に一度、選挙により選ばれる。そして選ばれた議長は「エルサムガスク公」となる。現議長、ラニャーマ=ゼラギアは3選目である。
エーライア神殿 – The Temple of Aliaea
誰が何のために建造したのか、それすら曖昧になってしまった謎の神殿。
始のエルフが誕生するよりも前からエーラドンナ半島に建っていることから、古代人が残した遺跡のひとつなのではとされている。
ひとまず、この神殿の管理はエルサムガスク公国のホビット族が担っている。
その他
竜の玉 – Dragon’s Gem
エルサムガスク公国に住まうホビット族の一番の仕事は、エーラドンナ半島の海を守ること。それはつまり、エーライア神殿に眠る海の守護者の眠りを守ることである。
エーライア神殿には「竜の玉」と呼ばれる宝玉が安置されていて、ホビット族いわく竜の玉とは「海の守護者の脳」であるらしい。竜の玉が一度でも瑕つけられると、守護者は目覚め、我を失くしたように暴れ狂い、半島周辺の海を荒らすという。
また、海の守護者にはこんな逸話がある。「海の守護者とは、古代人が不当に築いた神殿を守るために作り出した神殿の番人であって、海を守っているわけではない……らしいよ?」
なおエルサムガスク公国に住まうホビット族の大半は、この海の守護者のことを「海の荒し屋」と呼び、嫌っている。